大腸内視鏡検査とは
- 日本消化器内視鏡学会が認定する内視鏡指導医・専門医である当院長が大腸内視鏡検査も担当します。一般的には大腸カメラと呼ばれていますが、こちらも胃カメラと同じように細長いチューブの先端にCCDや小型レンズ、照明や鉗子口が搭載されている検査機器で、これを肛門から挿入することで大腸などの内腔の様子をモニタを通して観察・撮影し、病変(炎症、潰瘍、ポリープ、がん など)の有無を調べていきます。また、病変が疑われる組織等があれば、一部を採取して顕微鏡で詳細に調べる(生検)、もしくは大腸内で発見されたポリープの切除といったことも大腸内視鏡で行うことができます。なお、検査時間につきましては、観察のみであれば概ね20分程度です。
- なお大腸がんは、日本人のがんによる死因の第2位(女性は1位、男性は3位)となっています。大腸がんを含め、がんは早期発見・早期治療が重要なわけですが、大腸がんが早期に発見されたケースの多くは大腸内視鏡検査によるものです。なお、大腸がんは50歳を過ぎてから発症する患者様が多いことから、これまで大腸に何の症状もなかったという方も50代を迎える頃には、一度検査を受けられることをお勧めします。
以下のような症状のある方は大腸内視鏡検査をお勧めします(例)
- 便潜血反応で「陽性」との判定を受けた
- 血便が出ている
- 便秘や下痢などの便通異常がみられる
- 腹痛、腹部膨満感がある
- 貧血を指摘されている
- 顔色が悪いとよく言われる
- 急激な体重の減少があった
- 大腸ポリープや大腸がんを治療した経験がある
- 家族に大腸ポリープや大腸がんになった人がいる
- など
大腸内視鏡検査で発見が可能な病気
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
- 大腸憩室症
- 虚血性腸炎
- 感染性腸炎 など
検査が決まったら
- 大腸内視鏡の検査を受けられる場合、はじめに日時を予約し、必要に応じ感染症を調べるための血液検査も行っていきます。また抗凝固剤を服用している、あるいは糖尿病患者様で経口血糖降下薬やインスリンを使用しているなど常用薬のある方は事前にお申し出ください。次に医師もしくはスタッフから同検査を受ける際の注意点(検査前、検査時、検査後)を丁寧に説明していきます。内容としては、検査時に観察しやすくするため腸内を何もない状態にする必要があるので、腸管洗浄液(下剤)を服用しますがその際の注意点をはじめ、前日までの食事のとり方、検査後の食事についてといったことです。
- また検査では、肛門から逆行する形で曲がりくねった腸管に内視鏡を挿入していきますが、当院の大腸内視鏡検査は、胃カメラと同様に世界最細径の柔らかい大腸カメラを使用しているのが特徴です。そのため腹部の手術後の方・生まれつき大腸が極端に長い方を除けば、殆ど苦痛なく検査を受けていただくことが可能です。そのほか必要に応じ鎮静剤も使用していきます。これにより、検査中は意識がボーッとした状態で臨むことになるので、和らいだ感覚で受けられるようになります。
検査時の流れについて
- まず検査3日前から食事の注意、2日前から少量の下剤の服用、検査前日から大腸の中をきれいにするための検査食が始まります。検査当日は午前中いっぱいかけて御自宅にて腸管洗浄剤(下剤)と水分を繰り返し摂取し、その都度排便をしていただきます。これを排泄物が透明になるまで行います。当院にお出でいただくのは検査当日午後からで、検査衣に着替えていよいよ大腸内視鏡検査となります。したがって検査当日は日中はほぼ空けていただくほうが宜しいでしょう。検査時の大まかな流れは以下のようになります。
1. 腸の動きを抑える注射や鎮静剤を投与
検査をする前に腸の動きを抑える注射をいたします。また鎮静剤も投与していきます。
2. 大腸内視鏡を挿入(検査開始)
左側を下にして検査台(ベッド)で横になります。そして肛門から内視鏡を挿入していきます。検査の途中で大抵は姿勢を変え、あお向けになっていただきます。
3. 腸内を観察
まず大腸の一番奥(起始部)までカメラを挿入いたします。それから抜きながら隅々まで大腸の内腔を観察し、病変の有無などを確認していきます。その際に病変が疑われる組織等を一部採取することもあります(生検)。またポリープなどが見つかれば、可能な限りその場で切り取って(内視鏡的ポリープ切除)まいります。
4. 検査終了
一通り観察したら検査は終了です。検査時間は観察だけなら15分から20分程度です(個人差はあります)。生検やポリープ切除などを行っても30分以内で終了するようにしています。