胃内視鏡検査とは
- 胃内視鏡検査は、日本消化器内視鏡学会が認定する内視鏡指導医・専門医である当院長が担当します。一般的には胃カメラと呼ばれるものですが、これは細長いチューブの先端にCCDや小型レンズ、照明や鉗子口といったものが搭載された検査機器です。口もしくは鼻から内視鏡を挿入していくことで、咽頭・喉頭、食道、胃、十二指腸といった上部消化管の内腔の様子を観察・撮影し、医師はその様子についてモニタを通してリアルタイムで確認しつつ、病変(炎症、潰瘍、ポリープ、がん など)の有無を調べていきます。
- なお胃がんを初めとする消化管のがんは初期症状が出にくいのが特徴で、発生して間もない状態で発見されるのは胃内視鏡検査によるケースが大半です。がんは、早期に発見し、治療を行えば予後も良好な可能性が高い病気です。そのため、これといった症状がなくても定期的に同検査を受けられることをお勧めします。
- また、観察も通常光で観察するだけでなく、特殊光という最新技術を用いたり色素を散布したりして、がんを浮かび上がらせるように観察していきます。さらに必要があれば鉗子を使って、病変が疑われる組織を一部採取して顕微鏡で調べる検査(生検)や、胃などにあるポリープを切除するといったことも可能です。なお検査時間は、観察のみであれば10分未満で済みます。
午後からの内視鏡
基本的に胃カメラを受けるのは午前中というイメージをお持ちでしょうか?朝食を抜いて午前中の胃カメラが一般的ですが、実は午後からの胃カメラも可能です。朝食を軽めに8時30分までに済ませていただければ、15時以降の胃カメラは可能です。
当院は、お忙しい患者様に合わせて午後からの内視鏡も行っております。午前中はスケジュール的に厳しいけれども午後なら可能という患者様、ぜひ検討してください。経鼻、経口、鎮静剤使用も可能です。
以下のような症状のある方は胃内視鏡検査をお勧めします(例)
- のどがつまる、ものが飲み込みにくい
- 声がかれてきた
- 胸がつかえる
- 胸やけがする
- みぞおちが痛む
- 胃の不快感がある
- 吐き気・嘔吐・吐血の症状がある
- 体重の急激な減少がある
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を繰り返している方
- 胃がん・食道がんになった家族のいる方
- 飲酒、喫煙、塩分を多くとる方
- など
胃内視鏡検査で発見が可能な病気
咽頭・喉頭ポリープ、咽頭・喉頭がん、逆流性食道炎、食道カンジダ症、食道憩室、食道アカラシア、食道異物、食道ポリープ、食道がん、胃炎(急性・慢性)、胃憩室、胃アニサキス症、胃石、胃内異物、胃潰瘍、胃ポリープ、胃がん、十二指腸炎、十二指腸ポリープ、十二指腸潰瘍、十二指腸憩室、十二指腸がん など
経口内視鏡について
先にも述べましたが、胃内視鏡検査には、口から内視鏡を挿入する経口内視鏡検査と鼻から挿入する経鼻内視鏡検査があります。当クリニックでは、院長の方針で両者の良いとこどりともいえる方法で検査を行っています。即ち、当院の胃カメラはすべて口径5mmの世界最細径の経鼻内視鏡ですが、それを敢えて口から挿入していく経口内視鏡方式によって検査を行うというものです。
口からの挿入は前準備が簡便であり、口から挿入しても舌の根を殆ど刺激しないように最細径カメラを巧みに操作することにより、殆ど反射を引き起こすことなく深部まで挿入することが出来ます。また最新型の最細径カメラはハイビジョン仕様となっているので、従来の太径カメラと全く同等の画質が得られるので観察にも何ら不都合はありません。
経鼻内視鏡について
2024年6月から経鼻内視鏡を当院でも導入しました。患者様の御希望が多かったこと、大学病院で数多くの経鼻内視鏡を行っていた副院長が常勤となり開始とさせていただきました。
経鼻内視鏡は、挿入時の圧迫感がない、咽頭反射が少ない、のどの痛みがない、内視鏡中会話が可能、鎮静を必要としないなどメリットが多くあります。ただ、鼻腔がせまい方は痛みが出たり、鼻出血の可能性があり挿入困難なケースもあります。
デメリットもあるため、スタッフと相談し経口にするかご検討ください。基本的に鎮静剤は必要としませんが、鎮静の強い希望がある方は可能です。ご相談ください。
鎮静剤の使用について
上記のように巧みな技でカメラを進めてまいりますので、検査中鎮静剤などは原則として必要ありません。ただし、どうしても不安が先行してしまう、のどに麻酔剤をうまく貯められない、反射が他の人よりも強いといった方は前もって申し出て頂ければ、躊躇なく鎮静剤の使用もいたします。最初から最後までほぼ寝た状態で快適に検査を終了出来ます。
検査が決まったら
胃内視鏡検査を受けることが決まったら日時をご予約ください。その際、感染症を調べるための血液検査を行うこともあります。また、医師もしくはスタッフが、検査前、検査時、検査後の注意点について丁寧に説明いたします。そのほか、常用薬がある場合は事前に医師へ報告してください。鎮静剤使用の御希望の有無についてもこの時お伺いします。
検査時の流れについて
- 胃内視鏡検査を受ける際の大まかな流れは以下のようになります。
- 検査前日の夕食は早め(出来れば午後8時まで)に済ませていただき、それ以降の固形物の摂取はやめていただきます。少量の水の摂取は大丈夫です。また前日の夕食は出来れば線維質のもの(野菜など)は避けていただくようにします。朝飲む血圧の薬等があれば、早起きして検査の2~3時間前に服用を済ませておいてください。
1. 消泡剤を服用します
問診後に消泡剤を服用し、胃内の泡を除去していきます。これは観察しやすくするために行うものです。また胃の動きを止める注射(筋肉注射)を打つ場合があります。
2. 麻酔をする
咽頭麻酔と言って、飲み込むすぐ上ののどの最奥部に麻酔剤をためていただきます。
3. 検査開始(内視鏡挿入)
検査時は、左側を下に検査台で横になります。医師やスタッフの指示通りに姿勢を取り、マウスピースをくわえてリラックスします。鎮静剤を使用する場合は内視鏡を挿入する直前に投与(静脈注射)いたします。そして内視鏡を挿入していきます。
4. 咽頭・喉頭、食道、胃、十二指腸を観察
咽頭・喉頭、食道、胃、十二指腸などの内腔の様子をていねいに観察していきます。医師が必要と判断すれば病変が疑われる組織を一部採取します(生検)。また検査中、口内に唾液が溜まった場合は、飲み込まずに口の横から流し出すようにしていただきます。
5. 検査終了
観察を終えたらカメラを抜いて検査は終了。検査時間は個人差がありますが観察だけなら10分未満で終了します。